気まま猫草

音楽が好きな社会人の徒然

AKIHIDE 機械仕掛けの遊園地-Electric Wonderland-を聴きまして

だいぶ前にお友達からCDを頂いたんですよ。
せっかくなので感想文を書いてみようかなと。というか深読み大考察です。

 

本当は頂いた時期に書き上げたんですけど、色々とタイミングを逃してアップできなかったんですよね。重たくなりすぎて削ろうかと考えたり、発売当時だからネタバレを載せても良いのかと考えたり。

消そうかとも思ったけど、ガッタフレンドにAKIHIDEさんが出たことや色々と考えることも多くて形にしておきたいと思い投稿しておきます。

 

もう一度書いときますがレビューではなく、感想文です。1年ぐらい経ってしまいました。

 

AKIHIDE 機械仕掛けの遊園地-Electric Wonderland-

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CDに絵本がついている(120ページ!)

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絵本二万字らしくて…ROCK AND READのインタビューレベルじゃないか!

 

 

AKIHIDEさんといえば、言わずと知れたBREAKERZのギタリスト(知らない人は知って😡😡😡😡
実写版ムーミンをするのなら間違いなく彼がスナフキン役ですね。

 

BREAKERZのギタリストでありながら、2013年からソロ作品もリリースしており、今作は6枚目のアルバム。
1stのAmberと2nd Lapis Lazuliは聴いたことあってずっと気になっていたんです。
Amberは一曲目“涙の河”を聴いた時に歌声、歌詞、曲調含めてスナフキンが実在したらこんな感じなのかな…というイメージがついた。

 

Lapis Lazuliは1stと違い全編Instrumental。それもアコースティックギター
冒頭は優しく、アルペジオバッキング、パーカッシヴサウンド等アルバム後半へ向かってアコースティックギターだから出せる、アコースティックだから伝わる空気感で展開。むしろロックサウンド。どんどんロックテイストへ向かっていき、そして最後の最後でエレキを持ったかと思えば“遠き山に日は落ちて”ですよ。ここでドヴォルザーク
激しいアコギと優しいエレキの対比。


エンドロールやエピローグ的な部分にこの曲を持ってきて、このセンスはなんなんだろうと気になっていました。1stと2ndの感想文みたいになってるな。この2枚好きすぎるんよ。

 

話を戻します。

 

機械仕掛けの遊園地はインストナンバーや歌入り楽曲の両方を含んだコンセプトアルバム。

※ここからだいぶネタバレを含みます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まずは絵本を手にとってみました。
絵本はAKIHIDEさんがストーリー考案はもちろん、作画も手掛けたようです。アルバムをBGMにして、映画のように読み進めてみました。
絵本のサウンドトラックのようで、ページに描かれている絵が動き出した世界を想像できるようなサウンド


アコースティックギターがいたるところで響いて、一音一音空気感が伝わってくる。

一環として寂寥感の溢れてくるメロディが絵本の内容に感情移入させられる。

 

絵本の世界の、
人間が作った機械仕掛けの世界でロボットが人間以上の感情を持ち、その人間は非情にもその世界を捨てていくという前提が皮肉である。
この前提はそこまでストーリーに大きく関わらないのかもしれないけど、考えさせられるテーマというか。青は藍より出でて藍より青しというか。

 

あらすじとしては
かつては栄えたものの今は人間から捨てられた機械仕掛けの遊園地を舞台に、その中で唯一動いているお化けのフィーリーが主人公の物語。もちろん、フィーリーも機械仕掛け。

 

遊園地には象徴的な時計台があり、時刻を知らせる時計姫がいた。彼女はもう動いていない。
その時計姫を直してもう一度動かそうと遊園地内を辿り、その中でリスのアリスと出会う。
アリスとフィーリーは行動を共にするものの、フィーリーが時計姫のことで一杯で、アリスはフィーリーの中に自分がいないことを辛く感じ別離する。その後、アリスの涙に気づいたフィーリーが追いかけ再会する。

 

そこからフィーリーが自分の電池(命)を時計姫に提供することも考えるが、時計姫が過去に言っていた“遠い場所へ旅立ち咲かせる花に憧れる”という言葉を思い出す。
時計姫が旅立ったことを悟ると共に、フィーリーの中でアリスの笑顔、アリスとの時間が想い出となり残っていることに気づく。


そしてこの錆びた遊園地を綺麗な花で満たして、アリスと共に生きていく…と言った内容。

だいぶ省いた+個人的な解釈も含まれるかもしれないので、少しずれているかもしれません。

 

次に、CDだけ聴き込みました。
歌詞は絵本の内容とリンクするような、しないような…でもするような。徐々にクロスオーバーしていく…。
各登場人物の内情、絵本の中で語られない心情を楽曲として展開しているよう。その為、絵本を読んだ時はストーリーテラーの観点、歌詞を読んだときはフィーリーやアリスの観点から物語を読み解いていく聴き方ができたように思います。

 

深読みと感想文

AKIHIDEさんの描く世界は、“あなた”のいない世界であなたの記憶と共に生きている…というようなものが多いように思います。

 

今回の作品ではフィーリーは時計姫という存在を亡くし、そこから彼女を生き返らせようとする。記憶を辿る。その記憶と共に生きていたつもりだったけど、側にはアリスがいて。いつのまにかアリスとの記憶、想い出も増えていく。そして、時計姫はフィーリーの心に生きたまま、生き方を変えてくれたアリスと共にこの世界を少し変えて生きていく。

 

生き方を変えてくれたアリスは誰なんでしょうか。僕は直接的にAKIHIDEさんを追っているわけでもなく、2ndALまでしか聴けてない為、第三者的な視点ですが、アリスはファンの方なのかなという印象を受けました。
ファンから見たAKIHIDEさん、AKIHIDEさんから見たファンの視点、そこのズレももちろんあるでしょうし、ズレがあるからこそ良いのかもしれません。ファンは生活を支えるわけではなくとも、ある種の支柱になり得ると思うので。もちろんその逆もあるでしょうし。

AKIHIDEさんに“私がアリスって言われたもん!”って人がいたらすみませんね!知らんがな!

 

そして、AKIHIDEさんは大切な誰かを亡くした過去があるのでしょうか。
よく諸行無常や永遠を否定する考え方をされており、今を生きようと、そして夕凪のパレードのようにその記憶と共に生きていくよう。
ただ、単純に別離の悲しみではなくて。
おそらく元は悲しみだったのかもしれないけど、間違いなく前を向いている。記憶や過去と向き合うとはそういうことだと思うんです。

 

自分にも似たような経験があり、18のときに母親を亡くしていて。亡くしたときに友人の父親から“何かある毎にお母さんを思い出してあげてほしい。ここにいたらどうしたかな…どう考えたかな…とかなんでも良いから。そうやって前を向いてほしい”と言われたことがあって。

そのときの自分や今も含めて共感する部分が多いんですよ。だから大切な誰かを亡くされたのかなと思いました。かと言って自分も後ろを向いているわけでもなく…でも記憶として一緒に生きているつもりで。絶対に忘れちゃいけないけど、後ろ向きに生きているつもりは全くない。

 

それとAKIHIDEさんが「出会いも奇跡であれば別れも奇跡かもしれない」とお話されているようで。
別れたこと自体は喜ばしい奇跡とは思わないけど、その後の生き方や過ごし方、歩み方によっては奇跡になり得るのではないのかなと思います。

 

自分の経験則で考えると、母を亡くしたことは辛いことだったけど、それが無ければ父親と今ほど仲良くなっていないかもしれない、今の自分の考え方は持ち合わせていないかもしれない。他にも色々ありますが、何事にも因果のようなものがあり、もしかするとそのことを奇跡と言っているのかな…と個人的には思いました。「別れも奇跡」という言葉は結果として奇跡になるような、好転するような生き方をしなければならないんじゃないかなと。勝手に奇跡が起こるのではなく、奇跡が起こるような生き方をしなければならないのではないかと。

時が一方向にしか進まない中で永遠なんて存在しないけど、だからこそ今を生きないといけないんだろうなと思わせてくれる作品でした。

勝手なこと言うと、自分の人生観に近い、自分の人生観に自信が持てるような作品でした。

 

アルバムの感想とは少し離れたかもしれないけど、共感することが多かった。

まじで全然レビューにならなかった…!レビュー向いてねぇ。


このアルバム大好きで何回ループしたかな。プラネタリウムと夕凪のパレードが好きです。

 

とても良い作品を、心が彩る作品をありがとうございました。みなさん、この作品はだいぶオススメでしてよ!発売日は私の誕生日!!!(去年の)

 

機械仕掛けの遊園地 -Electric Wonderland-(初回限定盤)(DVD付)

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