ご無沙汰してしまいました。
V系をチェーン店で扱う店が少なかった時代のおはなし、の続編です。
前回のおさらいはこちら
本当は今回で完結予定だったんですけど、新宿のこと書いてると長くなり過ぎたのでとりあえず新宿編です。そして、V系専門店編と簡単に書いたものの、自分が行っていた時代と変わってる部分もあると思うので、特に人によっては食い違いそうです。書き出そうとすると何から書き出していいか、何を書き出せばいいかよくわからない。
そもそも〝V系専門店かそうではないか〟については〝このバンドがV系かV系じゃないか〟ぐらいに曖昧な部分がある。
簡単なV系専門店の特徴としては
•V系音源を扱っている
→当たり前かもしれないが、前回記述通り、当時は大型チェーン店では扱っている事が稀だった
•CDを購入すると特有の店舗特典がある
Ex.) メッセージテープ、メッセージCD、アーティストフォト、サイン色紙、サイン入りポスター、サイン入りクリアファイル等様々
•インストアイベントへの参加券が貰える
Ex.)サイン会、握手会、トーク、アコースティックライブ
狭めすぎてもアレなので、この3点の内1つでも当てはまれば良いと広義に解釈しつつ進めていきたいと思います。
【新宿】
メインは西新宿。小滝橋通りとか柏木公園の辺り。西新宿はレコード店街で、今でも個人経営のレコード店がたくさん。その中にV系専門店が固まっている状況です。
①ライカエジソン(Like an Edison)
https://la-edison.com/
〝V系専門店といえば?〟とマイクを向ければ1番に回答する方も多いのではないでしょうか。
インディーズ、メジャー問わずヴィジュアル系を扱う専門店。新品のみで中古は無し。
当時は1FがCD•DVD、2Fが雑誌•グッズだったけど今はどうなんだろう。入口にフライヤーの棚が置いてあって、一枚ずつ取っていくのが日課のようなものでした。
店の奥にはバンドの衣装を展示して簡易的な衣装展をやったり、インストのチケットは整列順だったり、新年には〜円以上購入の方で先着にいろんなバンドのメッセージが入ったHAPPY NEW YEAR CD、VHS、DVD(年によって異なる)のプレゼントもあったり、とにかく店に来させるのがまあ上手。初めて参加したのは新興宗教楽団NoGoDのサイン会だったかな。
たまにライカ限定の商品(like an CAFE/アンティック-珈琲店-等)とかライブ会場限定品(N.M.N/仙台貨物などなど)が売ってることもあって(ちゃんと正規の値段で!)要チェックでした。
経歴について
以前はUKエジソンという名でUKロック、プログレ、メタル、ハードコア等々元は輸入モノCDを扱っていたらしいですね(中古も貴重盤も)
XがVANISHING VISION発売時にサイン会を行ったとか。そこからポジバン、ゴシック、黒服系…と日本のバンドも扱ってたのかな。
UKエジソンは好調でFC店か直営かわからないが全国(北海道から福岡迄)に広げていたものの、1992年頃閉店。新宿店自体も1993年頃には閉店。
その後、跡地に1994年ライカエジソン開店。エジソン繋がりで何か関係ありそうだが、別会社で関係ないみたい。
広告表記で元々Like a Edisonが1999年のSHOXXではLike an Edisonになっていて、いつから変わったのか知っている方いないですかね?
2003年には大阪、名古屋にも出店、2007年にはラフォーレ地下へ原宿店を出店し好調だったが、2019年3月25日 株式会社ライカロリーポップが破産により、株式会社フォーラム(Da'vidノ使徒:aL、BABYLONのミサが代表)に運営が譲渡されている。それに伴い原宿店が閉店、名古屋店も2019年10月に閉店し、今は新宿と大阪の2店舗になっている。
https://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/entry/hinishi02
この2017年の記事では好調な感じなのになあ
②自主盤倶楽部
http://www.jishubanclub.com/
新宿でライカエジソンと双璧をなす店舗。ライカの目と鼻の先にある。
入口がショーウィンドウのようになっており、ポスターや大型ポップが飾られている。こちらも新品のみで中古品はなし。
ライカ同様、店舗特典やインストがあるが、自主盤はメンバーが登場した際、ステージが一段高くなっており非常に見やすい。収容人数の差はわからないが、ステージの見やすさで言えばこちらではないだろうか。初めて参加したのはWaiveのトーク•サイン会だったかな、アリス九號.のサイン会だったかな。
こちらも会場限定盤(僕、僕。/ヴィドール など)が売っていたり、残った分を流してくれてたのかな。
経歴について
自主盤倶楽部は店名で、会社名はミュージック•テイト。
元々は帝都無線(テイトムセン)という名で新宿に最大で6店舗、全国にもチェーン展開していたレコードショップらしい。当時から自主制作盤(インディーズ)の販売を行なっており、そこから黒服系、お化粧系、V系…の流れで扱うようになったのでしょうか。
http://www.malice-mizer.co.jp/History.html
MALICE MIZERの経歴にはVoyage発売時のサイン会は帝都無線•自主盤倶楽部と書いてある(1996年)
ミュージック•テイト設立は2004年だからそれまでは帝都無線•自主盤倶楽部だったのかな。C4のTOKIさんは今も帝都無線•自主盤倶楽部って言うけど笑
11月27日発売の3年振りのフルアルバム [-DETNIX-] のインストアイベント2daysが決まりました。
— C4_TOKI (STEALTH) (@c4toki) 2019年10月24日
12月7日(土) 帝都無線・自主盤倶楽部
12月8日(日) ライカエジソン東京店
共に18:00からです。ありきたりのインストアは思い出に残り辛いので何かしら変わった事がしたいです。https://t.co/ijfR8Jim1F pic.twitter.com/2dQM4RsTcu
このライカと自主盤はSHOXXやFOOL'S MATEに広告をほぼ毎月出しており、店舗特典の記載もあったので、どちらの店舗で予約しようか悩んでいたのを覚えている。
自主盤の広告(2004年)
ライカはサイン付…自主盤はアコースティックライブ…えええどうしようあああああああ
みたいなことがよくあった。高校生で金無いから選べないわけです。本当に双璧なわけです。
③closet child(クローゼットチャイルド)
https://www.closetchildonlineshop.com/phone/
V系CDソフトの買取販売、ゴスロリパンク古着の買取販売を行うお店。音楽から服飾迄、包括的に業界をターゲットにしたバンギャ御用達のリサイクルショップ。
新宿店は何度か移転していて、私が初めて行ったときは小滝橋通りのカラオケ館を道挟んで向かいの5Fぐらいにあった気がする(2002年〜2006年ぐらいかな)
当時は照明が暗くて暗くて…さすがゴシックを扱うお店だから雰囲気出してるのかな…とか思っていた。ファッションのコーナーとCDコーナーはちゃんと分けていて、元々同じ階だったか、途中から4Fと5Fに分離したかそんな感じだった気もする。
CDコーナーの特徴としては新品、通常の中古品、貴重盤とコーナーが分けられていた。貴重盤のCDにはRAREのシールだか貼られてた気がする。その中でもさらに貴重なもの(哀歌、愁歌/ムックなど)はディスプレイに飾られていてたっかーーーと思いながら見ていた。
クロチャのチラシの買取金額をレア度の参考にしていた
いつのまにか今のセブンイレブン新宿都税事務所前店隣辺りのビル1Fへ移転(2006年?〜2013年末)
ここがだいぶ広くなった。在庫量も増えて1番利用していた時期かもしれない。特に30%〜90%OFFが年に何回かあって、その時に大量仕入れしていた。【年に3回のセール】みたいなことが書いてたような。通常の値札の上から、黄色の文字で金額が貼られていた。
元々はそのセールのときに登場する棚だったけど、次第に常態化して、セール棚は残っていた。
2℃目の移転。NCC総合英語学院の辺りへ。ライカの裏辺りで元からもそんな遠くない。ここが一瞬だった。(2014〜2015年4月ぐらい)
3度目の移転。元のセブンイレブンの隣辺りへ。入口が変わって、ちょっとこじんまりとした(2015年5月〜2020年6月迄)
そして、また移転をしたらしい。
今の移転先はワセダSTビル4F
ここってオープンの時に入ってた辺りか、まさにそのビルじゃないのかな。
覚えてる範囲ではこんな感じですかね。古着の方は分かれてから移転したかわからないけど。
クロチャの経歴については池袋でまとめたいと思います。
④PURE SOUND(ピュアサウンド)
https://puresound.co.jp/
こちらも西新宿にあるヴィジュアル系の音楽作品•グッズの買取販売のお店。
2016年にミャージャックという関西の音楽番組に清春さんがゲストのときロケしていましたね。西新宿のピュアサウンドへ関西の番組がロケに行くという笑
個人的にはクロチャの方が全体的に安いが、デモテープ、雑誌の懸賞サイン等、かなりのレア物は多く扱っているのがピュアサウンドのイメージ。まあデモテープは複製かどうかもはやよくわかんないですが…。また、まとめ売りも多く、叩き売られてるところで揃えてバンドに詳しくなったり。値段が緩急つけているので、何かしら買って帰ってた印象が強い。
ポイントカードが割と早く貯まるので、そのポイントでレア盤を買って…を繰り返していた。
ALICE IN WONDEЯ LAND/アリス九號.の買取が2000円越えてるなんて時代
経歴について
大阪のアメリカ村店が本店で来歴を見ると1998年ぐらいからやってるんですかね。
新宿店は私が行き始めた頃(2004年〜)はアルタ裏にあり、地下への階段を降りていくところにありました。階段の途中にはJPOPもV系も洋楽もまぜまぜで叩き売りコーナーがあり、ドアが開いた手前にはV系ゾーン。奥には18禁のAVコーナー。そう、ピュアサウンドはAVとV系というキワモノの饗宴だったのです。
今でもAVやDVD販売としてアルタ裏は残っているけど、2009年頃に西新宿へV系単体が移転。最初はクロチャの向かい辺り(セブンイレブンの隣のビルにいたとき)にいたはず。
2015年ぐらいから今の店舗ですね。
⑤disk union新宿中古センター(ディスクユニオン)
https://diskunion.net/shop/ct/shinjuku_used
新品CD、中古CDの買取、書籍•グッズ販売等、音楽や映画に関するものの販売を行う先。
本来はチェーン店で紹介すべき先なんですが、ディスクユニオンはチェーンなのにコアな香りがぷんぷんするのでこちらへ。
設立は1941年だけど、レコードの取扱いを始めたのは1960年代前半らしい。その頃は家電販売店だったとか。
新宿には沢山店舗があって、HEAVYMETAL館、SOUL/BLUES館、プログレッシブロック館とかジャンル毎にかなり細分化されている。その店舗が分かれるぐらいマニアックで、ジャンル毎に深淵を覗いてる気分になる。だからこそdisk unionはCD屋を始めて各ジャンルを集めたのではなく、各ジャンルをマニアックに極めた結果CD屋になったようなイメージが纏う。
V系はどこに属するかというと、ジャンルではないので大概新宿中古センターに集まる。摩天楼オペラ、NoGoD、NOCTURNAL BLOODLUSTなど、メタルに寄るバンドはHEAVY METAL館にもあったりする。
新宿中古センターは私が行き始めた頃は2021年7月に再移転したビルが改装前?の頃だった(2008年前後〜)
最初は特にV系コーナーはなかった気がするが、2010年頃になるとCD陳列棚の一部にヴィジュアル系・黒服系コーナーができた。黒夢、Sleep My Dear、D'ERLANGER等の廃盤やDELUHI、DIR EN GREY等新旧問わずといった形。それも基本的にCD自体に店員コメントが書かれていて、〝詳しい人…それもまあまあ力がある人が入ったんだな〟ってわかるぐらいだった。そこから買取としても力を入れたのか次第に増えていった。
2017年頃、ビル改装のため紀伊國屋の8Fへ移転してからはデモテープの買取やV系特集している旨の宣伝もTwitterでしており、品揃えが更に良くなった印象がある。
いろんなジャンルだけでなく、V系までもしっかり扱ってくれてありがたい店舗ですね。
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今あるお店としてはだいたいこんな感じですかね。2007年設立のZEAL LINKはマルイワン閉店に伴い、高田馬場へ移転後2019年閉店しましたが、ZEAL LINKはあまり行っていた記憶がないです。元ライカのPSC派が設立した話を聞いた事あるようなないような。
また、littleHEARTS.はアルタ上にありますが、正直CDを買いに行ったことがないので項目としては入れておりません。
新宿だけじゃないかもしれないけど、V系専門店の歴史はレコード店の変遷と言っても良いかもしれませんね。V系ができる前に扱っていたアーティストはV系のルーツと言われるバンドであったり、突然V系を扱い出したわけでもなかったみたいですね。
このバンドがV系かどうか、このバンドはV系のルーツかどうかは本人ではなく、扱っている店舗を見るとわかるのかもしれないと思った新宿編でした。
next…