気まま猫草

音楽が好きな社会人の徒然

22.09.17 田澤孝介 弾き語りツアー Ballad Box Soloist 2022 @大津市伝統芸能会館 能楽堂

田澤孝介のライブへ行ってきました。
場所は大津市伝統芸能会館 能楽堂

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板がシュール


田澤さんはこれまでソロライブでバンド、ピアノでの演奏によるもの等いろいろやってきたものの、アコースティックギターでの弾き語りは初めて。
コロナ禍でアコギを始め、無料ツイキャスや、配信ライブを重ね、ついに有観客でのツアー。
10箇所12公演中、5公演目。

 

入場すると洋楽が流れている。
能楽堂にて洋楽。


田澤孝介 弾き語りツアー Ballad Box Soloist 2022

 


17:30〜19:17

橋掛かりを歩いてくる田澤さん。
足には足袋を履き、白い衣装。
能には疎いからわからないけど、あんなラフに誰かが橋掛かりを歩いてくる姿を見たことはないのでとても新鮮な姿。


田澤「Ballad Box Soloist 2022…ようこそお越しくださいました。 コロナ禍に入ったのが2020年… 半分衝動的にギターを始めました。 これまでは歌うだけかギター弾くだけかどちらかに専念してました が、 弾き語りとしてやっと有観客でツアーを廻れるようになりました。
今日は5本目。ここは…伝統芸能会館 能楽堂。滋賀でソロでやるのも初めてですが、見てください。 すごいでしょ?もう何か起こるとしか思えない… もちろん良い音楽ができるとしか思えませんが。
能楽堂は普段アンプ入れず地声のままやってるから聴こえるような システムに…システム?仕組み?になっているので、 音通さなくても良いんだよ?」



田澤「聴こえるでしょ? なので次やるときは生音でやっても良いかなと思います。 まだ一曲もやってもないのに次の話してる…


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田澤「後ろの人(生音で)聴こえる?聴こえないか。 じゃあやっぱり次も音通します。笑
あと(ギターに反射して)キラキラしてて申し訳ないですが、〝 あ、田澤キラキラしてる〟って思ってもらえたら… 演出と思ってください」



田澤「チューニングします!」


チューニングするときに背伸びしてたので、 身長伸びたり縮んだりしててフロアが笑い始めて


田澤「何笑ってんの?ああ、足元がギターで見えんくて笑 
今日は初めての土地、初めての場所で楽しみにしています。 最初の曲は… 昨日からこちらからクラップをもらうようにしました。 昨日速すぎてんな!気をつけよう… みなさんクラップお願いします」
1.Greatest trip
2.ここに僕らの
イントロでクリシェ進行のアルペジオを繰り返した後、力強いストローク。イントロのゆったりとした16分カッティングが力強く、会場を巻き込んでいくようで、クライマックス感が強かった。


Aメロに入ってからのギターはストロークにしたり、パワーコード風にしたり、都度都度アレンジしていたけど、一貫して声量のある歌声。
ラストのサビ付近では一瞬ギターの演奏の無い、静寂の中で歌声が響き渡る。
そして、舞台を踏んで足を鳴らした音が反響し、静寂の中で田澤さんの音だけが鳴っていた。

 

 

田澤「Greatest trip、ここに僕らの聴いて頂きました、 ありがとうございました。
Greatest tripは古い曲なんですけどね、また最近やり始めています。 そして、ここに僕らの。
人生は旅みたいなもので。旅ってそこに到着したら終わり… ってわけじゃないでしょ?もちろん目的地もあるけど、 そこに行くまでに色々あって…どういうルートで行くか… ときにはトラブルもあったりして、 そして最終的に到着してどんな旅だったかって思うんじゃないかと思います。


今日もこうやってライブに来てくれてありがとうございます。 いや、今日だけじゃないで?他の会場に来てくれた人も、 来ようとしたけど来れなかった人、いろいろあると思います。 来ようとしてくれてありがとう。
今回ずっとカフェみたいなとこでやってて… もちろんライブハウスもありましたけど。 でもカフェが多かったからプロレス入場で。 プロレス入場ってわかる?客席から入場するスタイルで。 今回のツアー初めてステージから入場だったので新鮮でした」


田澤「次は運命をテーマに曲を書いて…。
タンポポって綿毛が飛んだらそこで人生が始まって。 土の上だけじゃなく高速道路の上もある、 生まれる場所も選べず人生が始まるって考えたらすごいことだな… と思って書きました」


田澤「 普通はさっきのタンポポのこと話してるうちにチューニングするん やろうけどな。まだ慣れてません」



3.蒲公英〜風に舞え〜
ストロークで基本進んでいく演奏。
それが力強くて、コード感が強く残るので、ピアノのときと全く違った。


4.カナリア
イントロでスペインギターのような演奏が始まる。
拍子にならないような…和楽器でいうあしらいのような音。これは能楽堂和楽器とあしらいも掛けてたのかな。


演奏自体もストローク強めで、いつものカナリアよりもテンポが速く、〝情熱のアリアか…〟というぐらいの熱い、スペイン色強めの大幅アレンジでした。よかった。

 


田澤「蒲公英〜風に舞え〜、カナリア聴いてもらいました。みなさん…どうですか?ここ」



田澤「横とか大丈夫ですか?大丈夫?
まああんまり見る機会も無いですもんね。 向く余裕はないので横から楽しんでもらえたらと思います



田澤「昨日は〝ここでしか鳴らない音がある〟と言いましたけど、 昨日は曲が終わると鈴虫の音が聴こえたりしてまして。〝 ああとても風流だな〟と思っていました。今日は昨日のような音… ではないですが、ここには何かいるなと思います。 能楽堂から何か背中を押されてステージに立てているなと思います 。
ここの館長さんがすごくおおらかな方で。 能楽堂って場所によってはルールが沢山あるとこも多いみたいなん ですが、〝足袋さえ履いてくれたら何してもいいよ〟 って言ってくださって。まあ何してもいいよはないんやろうけど! !



田澤「館長さんがすごく理解のある方で、 能の踊りの方とか打楽器とかついても面白いかもしれないですね… って言ってくれて。なので、 次回はコラボみたいなこともできたらいいなとも思います。 スタイルは違えど、 良いものを届けようとする想いは変わらないんだなと思います」

 


田澤「次は恋の歌になります。
好きで好きで…みたいな恋の歌ではないんですけど、 田澤は暗いので」



田澤「恋と愛は昔は恋の延長に愛があると思ってたんですけど、 別物なんですよね。恋は自分のため、愛は人のため。恋人とする、 恋人に向けるものは全て自分のためのもので。 無償の愛って言葉あるじゃないですか?
あれそもそも愛じゃないと思うんですよね。 愛ってそもそも無償なものだから」


田澤「失って初めて気づくこと、気づいたから失ったこと… ってあると思いますが、その曲をいきたいと思います。 まずは失って気づいた方から。恋の彼方に」
5.恋の彼方に
6.赤い大きな月の夜に


田澤「恋の彼方に、赤い大きな月の夜に聴いてもらいました。 ありがとうございます。
恋をするというのはあまりなくなってしまいましたが、 それがモノとか好きな対象に向かったりはしますよね。 僕にもあるんですよ。ゲームとかね、 衝動的に買ってしまうんですけど… Twitterで春先に書いたんですけど、〝 Twitterで書いた〟って言ってる時点で使い慣れてないわ。 さえずり?呟きじゃないんでしょ?トゥイットゥー

 



田澤「春先にゲーム買ったってツイートしたんですよ。ELDEN RING…まだ空けてもないもんな」



田澤「言ってないけどまだ3つ空けてないゲームあんねん。 それと、またこれも言ってないけど、プレステ5買ってん


買えたんや!


田澤「抽選するときの気持ちとかわかるんですよ。 量販店に抽選並んでみたり、アプリ登録してみたり…普段ヨドバシ使ってんのにこういうときだけこっち来て… って思われてんのかなとか」


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田澤「あれわかってんのかな?ヤマダで全弾かれしてん。 全部弾かれんねんで?でも敵が多いからそういうもんかなあ。 抽選も当選者しかメール来ないんよな、勝者にしか来ない。
これも知らんかもしれんけど、PS3でDemon's Soulってゲームがあって、 そのリメイクがPS5で出たんですよ。めっちゃ売れたゲームで。 宣伝もしてないのに、口コミだけで100万?
で、続編とか似たようなゲームも出てきたりして。
でも空けてないもんな


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田澤「それもELDEN RING PS5でも出たしな…どうすんねん」


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田澤「でも今年はできないかな。 ゲームやってたら田澤何してんねんって思うでしょ!?」


趣味だから思わんでしょうよ笑


田澤「今回ツアーが決まってここの会場決まったとき、〝うひょ〜 珍しい場所で歌える〜!〟って思ってたけど、 近づくにしたがって〝ほんとに大丈夫かな…〟って思い始めて。 これまでいろんなスタイルでライブもしてきました。 ピアノスタイルのときは雰囲気出して、 照明もしっかりしてやってました。 もちろん裸電球というか色のない照明のときもありましたが。
でもこれまでこんな感じなのなかったでしょ? こうやっていろんなスタイルでやって、 挑戦していけたらと思っています。 自分もどこまでできるかわからんけど挑戦したいなと。 まあこれ以上やること増やさんといて… って思う方もいると思うんですけど(笑)、挑戦していきます」


田澤「よく〝悔いのない人生を〟とか言うじゃないですか?
〝悔いのない人生〟 って昔はやりたいことや楽しいと思うことをやる! と思ってたんですけど、内訳が変わってきて。
後悔のないように生きるってなかなか辛いことなんですよね。 旅路の話にも共通するかもしれないけど、 後悔ないように頑張って、戦って、生きて、 その最後に見える景色で〝悔いのない人生やったな〟 って思えたらなって思います。
みなさんもみんな戦ってるでしょ? 人と比べてどうとかではなくて。私は擦り傷、 でもあの人は骨折してるしな…じゃないんです。 それぞれ傷は痛いと思います。 それに対してみなさん負けないでください。僕も戦ってますので、 戦っているもの同士、負けずに戦って、生きていきましょう」

 

7.生きてこそ

ピアノのときはシリアスさやヒリヒリとした感じが伝わってくるようなイメージだけど、アコギだともっと優しくて、コード強めに弾いてくれていたからかもしれない。


能楽堂の中をアコギと共に響き渡る高音のロングトーンが最高だった。

 


8道標
イントロでアコギを爪弾いていたのはこの曲だったかな。途中からコードストロークに変えていた。
そして、〝道標に〟という歌詞まではすごく優しく語りかけるように歌っていた。


ラストのサビは溜めに溜めて、タイム感がゆったりとしていた。

 

 


田澤「生きてこそ、道標でした、ありがとうございました。
アンダーエイジに僕から言えることとすれば… 失敗をしないようにって考えながら挑戦するのが1番あかんでってことかな。こんな失敗ばかりしてきたけど、 ちゃんと生きてきてるわけなので、 失敗するのが悪いことではありません。 経験で上手くいった先に見える景色を知ってるから挑戦したい… とも思えるわけで。昔は自分も腰が重かったと思います…いや、 今もまだまだやけど、まだ軽くはなったのかなと思っています」


田澤「次は突然なんですが…カバーをしたいなと思ってます。 こういうこともあろうかと、色々譜面を持ってきてました。
僕の大好きな、大好きなみーやんの曲を。あ、 みーやんって中島みゆきのことね」


田澤「アオッ!!


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田澤「よくやるんですよ。 チューニングのときにアンプから抜いてて、 ほんとは繋がないといけないのにそのまま始めちゃうという」


と曲がスタートするものの、コードを間違えて中断。


田澤「やり直します!」


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


田澤「…カバーをしたいなと思って


take2(笑)


田澤「僕の大好きな、大好きなみーやんの曲を。あ、みーやんって 中島みゆきのことね!



9.糸

 

田澤「中島みゆきの糸でした。ありがとうございました。カバーは仙台でもやったのかな?


なんか… すごいですよね」


誰にもわかりやすい言葉で1曲の中で簡潔できている… といったことを言ってたはずだけど、 ごっそり抜け落ちてわかりません…。


田澤「昔は難しい言葉を並べて…〝1曲単位で何がわかんねん…! 〟と思っていたこともあって。
自分も音楽を聴いて、〝こういう解釈かな?〟 って考えていたので、それが悪いわけではないと思っているわけではなくて。あっているか間違っているかはなくて、そういう解釈をして、 点と点が線で繋がるような感じこそ楽しんでいる感覚があって好きで。


でもこういう話している感じで曲を作っても面白いかなと思ってい ます。自分の軸は変わってないんで、言いたいことというのは変わらないんですけ ど、今の…今の言葉で新しい曲をやりたいなと。 今新曲やるような流れやったけどまだできてないんで」



田澤「たぶんららら…とかで歌ったらすぐできるんやろうけどな。 今度やってみても面白いかも…まあここではやらないですけど笑」


田澤「受け手が、 みなさんがどういう風に曲を聴いているかはわからないですけど…もちろん、頂く手紙とかでどんな聴き方をしてくれているのかわかることもありますが、人生に寄り添うような曲を作れていたら嬉しいなと思っています。ひとりで過ごす夜に心に寄り添えたら…夜に願えば」

 

10.夜に願えば

最初はアルペジオで優しい感じだったけど、途中からストロークに変更したり、一曲の中でクライマックスへ向かう感じがとてもよかった。


〝あなたが幸せ感じるそのひとつに〟の部分を
A、B、C#m7、F#m7(7thかどうかははっきり覚えてない)で演奏していたけど、
本当に最後だけA、B、C#m、B、C#m7-5にしていて好き!!!!!!ってなった。
コードの変化だけでかなり叙情的になる。

 


田澤「今日何時から始まったっけ…?あ、みんな喋れんのか。 17:30?そうか…何時に終わったらいいかわからなくなって。 えらい早いな…って。
イナズマロックまだやってんのかな?終わったらみんなで行く!? !?!???
みんなで来ました〜〜IKUOさーーん!!!!〟って」


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田澤「そろそろみんなの顔が見たいわ。 声出しというより顔見たいわ。 これでも見えるようにはなったんですよ? 目は口ほどにものを言うって言うじゃないですか?
これ以上見るにはエスパーになるしかないんですけど。でも頭蓋骨まで見えてしまうからな。頭蓋骨まで見えたら顔が余計わからんからな」



田澤「ここからどういう状況になっていくのかはわかりません。またライブができなくなる状況になるかもしれないけど…でも、こうやってライブができるようになった経験があるのでね。またそうなったらできることを探したいと思います」

 

11.セセラキ
6弦でリズムを刻んでリフのようにして歌っていたので、ピアノで歌うときの壮大さと違うとても身近な感じのアレンジだった。


田澤「 最後はまた最初の曲のようにハンドクラップもらえたらと思います !みんなで音楽鳴らしていきましょう!」


12.Wave Rider


田澤「今日はありがとうございました。
今日がまだまだツアー5本目でした。今日が初日で今日がファイナルの方もいると思います。本当に来て頂いてありがとうございました。


またここでもやりたいと思っていますし、 今回あまりツアーで西の方に行けなかったのでね。 広島とか福岡とか…北の方も青森とか岩手とか… 行ったことない土地で歌いたいとも思っています。これ(ギター) を身軽に持っていけるんでね。
でも、ギター弾き語りだけを突き詰めたいわけでもないので、 バンドスタイルでもやったり、 いろいろと来年も活動したいと思うので、 気が向いたらまた来てもらえたらと思います。ありがとうございました!」


最初はステージにセットされていたギターを帰りは持ったまま帰って行って、ギター流しの人みたいでかっこよかった。橋掛かりをギター担いで帰っていく。
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田澤さんのソロライブは約2年半ぶり。
コロナ禍に入る直前のライブが田澤さんだったので、すごく不思議な気持ちであった。


コロナ禍に入り、田澤さんがアコギを買って、ツイキャスで〝Bmの響きが好き…〟とずっとBmを弾くような配信から始まり、カバーやオリジナル曲を演奏していく姿を見ていたので、段階を踏んでやっと弾き語りする姿が見れた…!という達成感にも似た気持ちもあった。


これまでのソロライブと違って、アコギでリズムをとっているから、ビートもブレイクもタイム感も全て田澤さんなので、〝そこにしか鳴らない音〟と言っていた通り、そこにしかない田澤さん主導の空間に包まれている。これまでソロ曲をピアノアレンジで聴いてきたけど、それとは全く違う、新たに生まれ変わった楽曲が新鮮でその違いを楽しんでいたらライブが終わってしまった。曲が終わったかも曖昧な瞬間があって、恍惚として聴き入っていたのかもしれない。
曲が終わるごとに満足そうな表情を見せていて、それで一曲終わったことを認識していたような気もする。

 

能楽堂も個人的に初めて行ったけど、舞台を踏んだときの音や軋む音、音の反響全てがライブだった。

 

田澤さんが〝ああ…なんか幸せやな。みんなも同じ気持ちやとええな〟

 

と何度か言ってたけど、ステージ含めて田澤さんが作り出す空間そのものが幸せに包まれていて、そんな空間を提供してくれて感謝でいっぱいでした。幸せでした。


個人的にはこのライブが初日でファイナルだけど、来年もツアーをやってくれるのであればまた行きたいと思ったライブでした。
良い夜をありがとうございました。

【setlist】

1.Greatest trip
2.ここに僕らの
3.蒲公英〜風に舞え〜
4.カナリア
5.恋の彼方に
6.赤い大きな月の夜に
7.生きてこそ
8道標
9.糸
10.夜に願えば
11.セセラキ
12.Wave Rider